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コールセンター開設時に検討すべき立地・ビルの選定法

コ−ルセンタ−画像 センター業務の成否を決める 立地・ビル選定

コールセンター業務を成功に導くためには、立地・ビルの選定は非常に大切であり、コールセンター業務の成否を決める重要な事項である。それはコールセンターの成功に最も重要な“良い人材”の確保そのものに大きく影響を与えるからだ。
 もし立地やビルの選定を誤ることで採用が難しくなった場合、コールセンターの顧客対応の品質を下げ兼ねない。そればかりか、シフト編成などの運営を難しくし、募集・トレーニングコストや時給・交通費などの人件費自体の上昇を招き、さらにさまざまな要因も加わりマイナスの循環に陥る可能性が高くなる。
 またコールセンターのコストを大別すると人件費、スペース費、設備費、通信費に分けられるが、そのうち人件費が総コストの70%以上を占めるというのが一般的だ。その中でスペース費が占める割合はわずかだが、立地・ビルの選定は労働力の効率的な確保、人件費の効率的な活用に大きく影響するとも言える。加えて選定したビルによっては、スペックなどの問題により入居工事などのイニシャルコストが増加し、設計などにより運営がし難くなり、さらに余分なコストが必要になる場合がある。

環境、規模・形状、通信インフラ
――ビル選定時の検討項目

ビルを検討する際に、どんなことを注意していくべきか。ビルの検討はコスト面だけでなく、(1)ビル環境、(2)規模・形状、(3)スペック、(4)通信インフラなどを調査していくことが必要だ。

(1) ビル環境
駅からの距離、ビルまでのアクセスの状況、オフィスの生活環境は募集のし易さやオペレータの定着率に影響を及ぼす。
 同じエリア内でも個別のビルによりオペレータの採用や定着率に差が生じてくることは、先程も書かせていただいたが、環境については入居してからでは変えることができないこともあり慎重な調査が必要だ。
 第1に駅からの距離。しかし単に駅から近いかどうかだけではなく、ビルまでのアクセスを調査し総合的判断が必要。例えば、夜女性が一人では歩きにくくなるかどうか。日中でも不快になるような状況があるか。歩くルートに交通的に危険なところが無いかどうかなど、オペレータの立場に立って見ていく必要がある。
 第2に近隣やビル内に十分な飲食店やコンビニ、パン屋などがあるかどうか。病院、金融機関やATM、ショッピングなどの生活環境も重要な項目だ。

(2) ビルの規模・形状
ビルのワンフロアーの大きさや形状は、オペレータやコールセンターの管理者の人数に影響し、失敗すると運営上のコストやイニシャルコストの上昇を招く。
 第1に余裕のあるワンフロアー面積が確保できること。必要な席数をワンフロアーで収められればベストだ。必要以上に複数のフロアや区画に分かれてしまうと、フロアや区画ごとに管理者を置く必要が生じ、コストが増加してしまう。同時にスペースが有効に使えず非効率なオペレータの配置になってしまう。
第2にフロアの形状だ。フロアの形状によっては、レイアウトの際に死角が生まれる可能性があり、柱の数や位置はレイアウトに影響し、死角を生じることにもなり兼ねない。

(3) スペック
基本スペックの低いビルは、入居工事の高騰につながる。例えば、OAフロアにするには3万円/坪程度の費用がかかるケース多く、電気容量や空調容量のアップが必要になると相当程度の工事費がかかり、ビルによっては、ある程度しか対応できない場合もある。
 第1に十分な空調能力。データ管理用サーバーや1人当り1〜2台のPCの熱負荷に対応する必要がある。また区画ごとに冷暖房の切り替えができることが重要。そしてワンフロアーでできる限り多く、区画ごとに空調のON/OFができれば、オペレータの稼働状況や稼働エリアごとに空調の使用を調整することができ、空調費の効率的な削減が図れると思う。
 第2に十分な電気容量だ。最低1人当り1〜2台のPC対応が求められるコールセンターには、十分な電気容量が必要になる。電気容量の不足は、増設などのイニシャルコストの負担だけでなく、オペレーションの信頼性の問題にも関わる。またビルによってはビル全体の電気容量の問題がある場合があり、確認が必要。
 第3に24時間の入退館対応だ。夜間、休日での入退館はもちろんのこと、24時間のサービスを考えている場合には、さらに重要な調査項目になる。
 第4にOAフロアだ。床下配線は良好なオペレーション環境を維持するだけでなく、稼働後のメンテナンスを容易にし、増員時のレイアウト変更も容易かつ低コストでできる。入居時にOAフロアにすることは可能だが、コスト増だけではなく床に段差がつく、天井の高さが低くなるなどの弊害を招く。またOAフロアの場合でも床上げの高さや種類などの確認が必要だ。
 第5に非常時のバックアップ電源や休館日の電源の確保だ。電気事業法に基づく年1回の法定点検の際に、ビルの電源供給が止まる。点検時期、点検時間、対応の方法はビルにより異なるので確認が必要だ。サーバーを止めたくない場合や、24時間365日のサービスを提供するのが前提であれば、自社またはビル側の非常用バックアップ電源をいくつかの方法で確保する必要がある。

(4) 通信インフラ
複数の通信会社の光通信回線がビルに直結がされていると、通信コストの削減がし易く、また万一1社の通信状況に問題があった場合に対応可能な体制を組むことが可能だ。
 通信回線はコールセンターの生命線。必要な回線数がいつまでに用意できるか、ビルやエリアによって大きく異なる。回線が足りない場合数カ月も掛かるケースも多々あり業務開始のスケジュールに大きく影響する。ビルによっては、既に複数社の光ファイバーを引き込んでいるものもあり、重要な調査項目だ。

(5)その他
 オフィス内の環境も、業務の効率化やオペレータの定着率等に関わる重要なポイントになる。内部のレイアウトや家具、備品などもコールセンターを熟知した専門部隊を持つ信頼のおける会社にお願いすることも必要だ。
「※月刊コンピューターテレフォニー 2001.8月号 当社寄稿記事より抜粋」

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