野村不動産のマンション建替え|【野村不動産】マンション建替え事業

野村不動産
野村不動産
「プラウドシティ方南町」建物外観

建替えに慎重な方も多くいた中で、無事に建替え決議が可決に至ったのは、
238件の区分所有者一人ひとりと丁寧な対話を重ねた結果でした。

検討初期は無理のない範囲で建替え検討をスタート

建替え事業の経緯について教えてください

【中村理事長】
「ガーデン堀ノ内住宅」が竣工してから37年後の2005年でしたが、この頃少しずつ新聞紙上で建替えの事例などが記事になっていましたので、数名の有志で集まり、建替えについて検討してみようとスタートしました。2007年には一級建築士で知識と経験のある金城副理事長の助言もあり、杉並区の助成金を利用して費用がかからずにできるからと、耐震簡易診断を実施しました。

中村理事長

【金城副理事長】
建物簡易診断は書類のチェックのみによるものでした。図面や構造計算書などを基に、1981年に施行された新耐震基準に則って、どれぐらい耐震性が不足しているかを検証するのです。その結果、この建物は大きな地震の際にかなりの被害を受けるだろうということが分かりました。

金城副理事長

そもそも「ガーデン堀ノ内住宅」は1968年に竣工しましたので、設計は1965年ぐらいから始まっていて、天井高が低いことはもちろん、ドアのサイズやお風呂の大きさ、設備や配管、電気系統なども当時の古い基準によるものでした。また、建築基準法や消防法など、建物に関する諸々の法律の改正も進み、あらゆる背景から建替えを検討するタイミングとしては良かったのかもしれません。

【中村理事長】
建物簡易診断の結果を受けて、4、5名で「建て替え検討準備委員会」を立ち上げ、2010年に「住まい再生検討委員会」を組成しました。敢えて、「再生検討委員会」としたのは修繕を検討したいと考えている他の権利者の方々に建替えありきで進めていると思われないよう配慮したからです。「住まい再生検討委員会」設立の後、2012年に再び杉並区の助成を活用し、耐震精密診断を実施しました。

「ガーデン堀ノ内住宅」外観

【金城副理事長】
耐震精密診断は、実際の建物を建設会社が診断する本格的な検査でした。結果として、耐震基準に満たないことを改めて確認するとともに、経年劣化による躯体の爆裂やクラック、モルタルの落下など様々な問題があることが分かりました。この結果により住民の関心が高まり、その後の建替え推進に大きな影響を与えたのだと思います。

建物・設備の老朽化

【中村理事長】
耐震精密診断後は、建替えと耐震改修の比較検討を行うことを目的に、公平な立場にある第三者の意見を取り入れるべくコンサルタントを選定しました。その上で事業協力者の競争入札を行うことになり、実績や費用、建物計画提案など総合評価の結果として野村不動産に決めさせていただきました。

建替え決議の様子

以降は我々委員会やコンサルタント、野村不動産が一体となって協議を重ね、権利者の皆さんに「建替え」に関して理解してもらうために個別面談や説明会を幾度も実施した結果、2019年12月、238の区分所有者のうち約200人が参加した総会において、建替え決議に関する審議が行われ、可決するに至りました。
検討開始当初は賛成率が低かったにもかかわらず、1回の建替え決議で可決されたことには野村不動産担当者も大変驚かれていましたが、私自身も言葉では言い表せないほど感激しました。

2020年には、杉並区で初のマンション建替え円滑化法に基づく建替え事業として認可を受け、約3年半の工事期間を経て、検討開始から17年目の2024年に無事竣工しました。とても立派なものを作っていただいて、野村不動産をはじめ関係者の皆さんにはとても感謝しています。

「プラウドシティ方南町」アプローチ

合意形成には住民の方々と向き合い、丁寧に話し合いを重ねることが大切

建替えに慎重な方もいらっしゃった中で、どのように合意形成を進めていきましたか?

【中村理事長】
比較的早い段階から建替えの検討を始めたため、当初は多くの住民の方々が建替えに関して分からないことが多く、賛否について判断しきれないようでした。そこで、とにかく多くの対話を重ねていきました。

「プラウドシティ方南町」ラウンジ

野村不動産には色々な資料を作り、説明会を繰り返し開いてもらって、権利者の一人一人と丁寧に向き合っていただきました。一方で私たちも、折に触れ懇親会を開くなど話を聞く機会を作ったり、反対の意見の方がいたら、その人と親しい方に間に入ってもらい、納得がいくまで話し合いを重ねました。そういった積み重ねをコツコツと丁寧に継続してきたことが良かったと考えています。

【金城副理事長】
「ガーデン堀ノ内住宅」では、お花見や食事会、ガーデニングの会など住民同士の集まりがあり、コミュニティの輪が形成されていたことも闊達な話し合いに寄与したのでしょう。

「ガーデン堀ノ内住宅」ガーデン

大事にしてきた住民同士のつながりを育む建物計画の提案

建替え後のマンションについて、こだわった点はありますか?

【金城副理事長】
「ガーデン堀ノ内住宅」では、先にも述べたように住民同士の集まりが日常的でしたので、建替え後のマンションでも住民が交流しやすい空間をつくりたいと野村不動産に相談しました。結果として、共用施設としては、建物の外(コミュニティエリア)とつながっているコモンラウンジができたのですが、このラウンジは広さを柔軟に変えられたり、一角にキッチンスペースがあったりと、老若男女が集いやすい空間になりました。子供たちが楽しそうにしている様子を見ると、嬉しくなります。

「プラウドシティ方南町」コモンラウンジ

【中村理事長】
自宅以外に過ごせる場所があるというのは暮らしが豊かになりますね。グリーンガーデンを眺めながら読書をしたり寛げるラウンジや、知人や親戚を招く際に安心して宿泊してもらえるゲストルームはとても好評です。

「プラウドシティ方南町」ラウンジ
「プラウドシティ方南町」ゲストルーム

信頼できる事業協力者と前向きに進めてほしい

現在建替え中また今後建替えを検討される方々へのアドバイスをお願いします

【金城副理事長】
建替えを推進していくためには、まずは核となるメンバーを固めた上で、徐々に賛同者の輪を大きくしていくことが大切だと思います。振り返ってみると、耐震性不足や老朽化が原因で建物がどれほど不便になっているのか、また、解決方法としての建替えや耐震改修のメリットとデメリットなどを丁寧に説明してきたことが功を奏したのでしょう。

【中村理事長】
建物はいずれ古くなり、建替えを検討するタイミングは必ずやってきますので、区分所有者が納得のいくような進め方を考えていくことは重要です。例えば、区分所有者の様々な意見に応えるために複数の選択肢を用意して、比較検討してもらうような流れをつくることは納得感につながったと思います。

豊富な実績を持つ野村不動産からは、その時々に応じたバリエーションのある提案がもらえました。区分所有者と丁寧に向き合ってくれるパートナーと組みながら、無理せず進めてこれたことが良い結果につながったのだと思います。

左:中村理事長 右:金城副理事長

※掲載の写真は2025年4月に撮影したものです。

CONTACT

まずはお気軽にご相談ください。

  • 大規模修繕の実施が近づいてきたけど、その前に建替えも検討してみたい。

    建替えた場合の費用見積もりを
    お出しします。
    修繕との比較検討をしてください。

  • 建替えや敷地売却制度の仕組みが
    よくわからない。

    管理組合の理事会様・委員会様向けの勉強会や相談会を承ります。
    まずはご相談ください。

  • 以前、建て替えを検討したけれど、
    実現が難しいことがわかったので、検討が止まっている。

    高経年化したマンションの課題に対して、新たな法整備等がすすんでおりますので、異なる切り口から課題解決策をご提案できる可能性もあります。

    当社においては、「他社撤退後に参画し建替えを実現した事例」もございますので、一度お問い合わせください。

  • よくあるご質問

    その他のご質問事例はこちらから
    ご覧ください。

    詳しく見る